
セセットバックのオペ後、前に出ていた口元が下がるために、僅かにほうれい線が出るケースがありますが、老けて見える程の深い皺が出るわけではありませんので、ご説明します。
セットバック手術とは
出っ歯・受け口など骨格が原因である不正咬合や、フェイスラインを気にされる方にとっては、矯正治療を行うよりもセットバック手術を行う方が効果的なケースが多いです。セットバック術は、上あごと下あごのバランスが悪い際にお口の中から行う外科矯正で、大まかに流れをご説明します。
- 出ている顎の左右の小臼歯の抜歯とその下の顎の骨の切除を行う
- 前歯の下の顎の骨を水平に切り、骨と前歯を動かせる状態にする
- 小臼歯1本分空いたスペースに前歯とその骨を後方へ下げる
- 骨は生体親和性の高いチタンプレートで接合する
- ワイヤーでご自身の歯と前歯をきっちり止める
- 術後検診でドクターが骨や歯の状態を確認する
- 腫れやむくみ、痛みの状態によって薬を処方する
- 定期検診へ通ってもらい、ダウンタイムの経過などをしっかりと診察する
セットバックで老けて見えると言われるのはほうれい線が僅かに出るせい
セットバック手術後に僅かにほうれい線が出るのは、前に突出していた口元がセットバック手術によって後ろに下がったために起こります。
しかし、セットバック手術で後ろに下げられる量は決まっており、患者さんが口元を大きく下げて欲しいと言われても、限界があります。また、執刀医はどれだけ口元を下げれば一番美しいラインになるかを、しっかりを見極めてオペを行います。
そのため、セットバック手術で口元を後退させ過ぎて深いほうれい線が出て老けて見えるということは通常は起こりません。
セットバック治療で大切なこと
セットバック治療で何よりも大切なのは安全に手術を受けることです。お顔に個人差があるように、神経や血管の走り方にも個人差があり、精密検査を行わなければ詳細な部分は判明しません。そのためには、下記のような医院を受診しましょう。
- 医師やスタッフへ話しやすくお悩みをしっかりと相談できる
- 状態の診断や治療方法が適切で詳しく説明してもらえる
- CT撮影や術前検査を行える環境で、事前に医師が血管や神経などリスクの高い位置を把握している
- 不測の事態が起こらないよう医院の環境が整っている
- お口の中で行う手術のため、口腔外科の専門知識がある歯科医師はより安全に行える
- 経験が多い執刀医師以外に麻酔科医も常駐したクリニックである
料金が相場より安すぎると、医師の経験不足や環境整備されていない可能性があります。必ず確認しましょう。
まとめ
当院では、口元の突出感(上下顎前突)の患者様を上下セットバックする際、歯の角度も変える処置が可能です。以前、上の前歯が下の前歯を覆う過蓋咬合も気になると仰っていた患者様がおられ、セットバックの際に、歯の角度を変える処置も行い、過蓋咬合も併せて改善しました。セットバックには高い費用も掛かりますので、安心して治療を行える医院で行いましょう。