歯と口のトラブル

歯が痛い時にしてはいけないこととは

歯が痛い時にしてはいけないことを知っていますか。急に歯が痛むような状態にならないに越したことはありませんが、痛い時にしてはいけないことを知っていると、万が一の際に役立ちます。歯が痛い時にNGなこと、逆に応急処置についても詳しくご紹介いたします。

どうして歯が痛くなるのか

どうして歯は痛くなるのでしょうか。考えられる原因として主にこのようなものがあります。

虫歯

虫歯(う蝕)とは、レンサ球菌の一種であるストレプトコッカス・ミュータンスが、食物から得られる糖分を糧に酸を排出します。その酸が歯のエナメル質に付着して溶け、穴が開いた部分から象牙質や歯髄(神経)へ進行していくことで痛みが出ます。初期むし歯であれば白濁という変色で痛みはありませんが、穴が開いて象牙質へ進行するとズキズキした痛みになります。虫歯が進行して神経が感染してしまうと、歯根の先に膿がたまり、強い痛みや腫れが生じます。

歯周病

歯を支える歯ぐきや、歯を支える歯槽骨が細菌感染を起こして炎症を起こす病気です。最初はやや締まりがなく歯茎の炎症がある程度ですが、進行すると、腫れや出血、膿、揺れに伴い痛みが出ることがあります。歯を失う原因ともなり、成人した日本人の8割がかかっていると言われます。

歯ぎしりや食いしばり

無意識下や就寝時に歯をカチカチ合わせたり、ギリギリと食いしばったりするのが、歯ぎしりや食いしばりです。そのような強い力が加わると、歯や周囲の組織に負担がかかり、歯の表面のエナメル質が削れたり、歯ぐきが下がって歯根が露出してしまいます。冷たいものや熱いものの直接の刺激が歯に伝わりしみてしまう知覚過敏の原因にもなります。

親知らずの炎症

親知らずが生える時に周囲の歯ぐきが炎症を起こしたり、もう生えていた親知らずと隣接歯の間に歯垢など汚れが溜まり炎症を起こす智歯周囲炎になっているなどが考えられます。親知らずによる歯の痛みはおよそ20歳前後になることが多いです。智歯周囲炎が悪化すると、開口障害になってしまうことがあり、注意が必要です。

歯が痛い時にNGなこと

歯の痛みがあれば、少しでも和らげたいという方が多いでしょう。痛みを悪化させるということは避けたいものですので、NGな行動についてまとめてみました。

痛い部分を強く押したり触ったりする

歯が痛い部分について、刺激を与えては更に痛みが増してしまいます。痛い部分に食べかすが詰まった場合、優しく取り除きましょう。気になるからと鏡で見ながら、手で触ったり、爪楊枝などで勝手に触ると炎症や腫れが悪化する可能性があります。

温めたり運動する

血行が良くなると体に良いと思いがちですが、痛みがある時に血行を良くするのは逆効果です。全身に血が回ることから、痛い部分より出血が起きる可能性があります。運動も同じ理由で運動をして体温が上がってしまうと、血流が良くなり、腫れや痛みが強まる原因になります。

飲酒する

アルコールを飲むと、短期的には中枢神経を抑制するため、感覚を鈍らせることからリラックス効果を得ることができます。ただし、血管が拡張して一時的に血行が良くなってしまい、痛みや炎症が悪化するため、避けた方が良いです。

喫煙する

痛みが気になって落ち着かないからとタバコを吸う行動を喫煙者の方は行いがちです。紙タバコに含まれるニコチンは歯や歯肉に影響を与え、加熱式タバコにしても僅かにニコチンが含まれるものや依存性などもあります。どちらも習慣性があると、どうしても細菌感染しやすい口腔機能になってしまいます。

放置する

歯の痛みは他の痛みに繋がることがあるため、我慢してはいけません。痛みがなくなったから放置するのではなく、必ず歯科医院を受診しましょう。むしろ痛みを感じる神経が死んでしまった状態になっていて、更に細菌感染が歯根に進行し、症状が悪化している場合が多いです。

歯が痛い時の応急処置

では、歯が痛い時の応急処置はどうすれば良いでしょうか。

痛い部分は冷やす

頬の外側から冷たいタオルや、タオルでくるんだ保冷剤で軽く冷やしましょう。お口の中からダイレクトに冷やすと、知覚過敏の症状も出ることがあります。患部を冷やすと血行が抑えられ、腫れや痛みを一時的に緩和できます。

口を清潔に保つ

食べかすや汚れがお口の中に残ったままでは刺激になるため、うがいをして清潔にします。殺菌作用などが含有された刺激の強いうがい薬ではなく、水やぬるま湯で優しくうがいをするのがおすすめです。

痛み止めの服用

市販されているロキソニンやイブなどに痛み止めを服用して痛みを抑えるのも一時的な対策になります。必ず用法や用量を守り、一時的に痛みを抑えましょう。自己判断で服用し続けて良くなることはなく、根本的な原因を解決していないため、細菌感染が進行してしまいます。あくまで歯医者さんへ行くまでの症状を和らげる方法と覚えておきましょう。

噛まない・触らない

痛い部分ではなるべく噛まないようにしましょう。食べものが詰まると痛みが促進します。舌でも触れないようにしておくのが賢明です。

飲酒と喫煙は避ける

飲酒は一時的に血流を良くするため良くありません。喫煙は血流が悪くなりますが、口の中が乾燥してしまい、歯周組織や他の部分への細菌感染リスクを上げてしまいます。いずれにしても、歯が痛い時に、嗜好品はやめておきましょう。

手の甲の親指と人差し指の骨が交わる少し前の部分のくぼみに合谷(ごうこく)というツボがあります。痛みに効くツボですので、痛みを感じる際に強めに押してみましょう。

歯が痛いとならないための予防法は?

なるべくならば歯の痛みは感じたくはありません。歯が痛いとならないための予防法についてご案内します。

正しい歯磨き習慣を徹底する

食後に歯を磨くのが理想ですが、昼は学校や外で磨けないという方もおられます。朝と晩、特に就寝前の歯磨きは丁寧に行いましょう。歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間、歯の裏側までしっかり磨き、歯間ブラシやデンタルフロスも活用して磨き残しを防止しましょう。

定期的に歯科検診を受ける

3〜6ヶ月ごとに歯科医院でチェックをし、歯のクリーニングを受けましょう。小さな虫歯や歯周病を早期に発見できれば、初期むし歯の場合は削らずに経過観察で済む場合もあります。

食生活を見直す

糖分の多いお菓子やジュースを控えて、ダラダラ食べを避けましょう。時間を決めて食べると、お口の中が長時間酸性になるのを防げます。おやつを食べた後もなるべく早く歯磨き、またはうがいを行いましょう。

口の中を乾燥させない

唾液には虫歯や歯周病を防ぐ自浄作用があります。十分な水分補給をし、よく噛むようにしていると、唾液腺が働き、分泌を促せます。

歯ぎしりや食いしばりを防ぐ

寝ている間歯ぎしりをしている方は、ナイトガードというマウスピースを作製し使用しましょう。日中も無意識に食いしばっていないか意識し、顎関節や歯に力をかけ過ぎないようにしてください。

喫煙を控える

喫煙習慣があると、歯周病にかかった際に重症化しやすいです。タバコを吸うと、どうしても唾液が減り、口腔内の自浄作用が働きません。血流が悪化するため、新陳代謝も悪くなり、歯茎が炎症や感染に弱くなります。

これらを習慣づけておくことで、痛くなってから歯医者に行くではなく痛くならないように予防することができます。

まとめ

歯が痛い時にしてはいけないことは、温めないよう清潔に保ち、痛み止めを正しく使い、触らずにアルコールや喫煙は控えましょう。歯の痛みは多くの場合、虫歯や歯周病などの治療が必要なサインです。放置せず、早めに歯科を受診することが大切です。

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