
被せ物が合わない場合、なぜ改善をしなければならないのか、そして原因についてご案内します。
被せ物による治療
虫歯やセラミックの治療で、一般的に詰め物や被せ物を入れる方法を取ることがあります。歯科の専門的には詰め物や被せ物を補綴物(ほてつぶつ)と呼びます。補綴とは、身体の欠損した部分を人工的に補う処置なので、入れ歯やブリッジなどの歯科治療も補綴という分類です。様々な年代で、補綴物による歯科治療を行っていると言われています。
被せ物が合わないと何が起こる?
さて、被せ物が合わないと、お口の状態にどのような問題が起きるかという点についてご説明します。
- 噛み合わせが高い・もしくは違和感を覚える
- 隣の歯との隙間が狭く感じる
- 金属のクラウンを被せた奥歯で熱いものや冷たいものがしみる
これらの症状については、特に何も処置を行わなくても良いと考えられるかたもいらっしゃるでしょう。もちろん、これが1日くらい続く場合は、そのままご自宅で歯磨きや歯間ブラシ、デンタルフロスを通常どおり行っていただくだけで構いません。
被せ物が合わない時どのようにすれば良い?
では、長い時間が経過しても、口腔内の被せ物に違和感を感じるケースではどうすればよいのでしょうか。
その際は日常の食事で食べ物を咬む度に違和感が出ると思います。そうすれば、片方の筋肉や顎関節に力が加わり、負担がかかることになります。通常は、被せ物の素材が歯になじみ、特に問題が起こることはありません。
ただ、被せ物の違和感が一週間以上過ぎても気になる場合は、歯科医院へ通院することが大切です。電話で気になる点を簡潔に伝え、予約して来院するのがよりよいでしょう。
ぴったりの被せ物はお口の健康にも繋がる?
被せ物が合わないまま放置すると、前歯と奥歯の噛み合わせのバランスが崩れてしまいます。特定の歯や顎関節に過度な負担がかかると、被せ物が外れやすくなりますし、悪い結果になれば顎関節症を引き起こすリスクへと繋がります。
また、少しでも被せ物と歯に隙間があれば、ミュータンス菌が被せ物の中に入ります。二次むし歯がエナメル質だけではなく、象牙質にまで至るほどになれば、歯茎に膿が溜まり腫れてしまい、口臭の原因を作る可能性もあります。
神経(歯髄)が死んでしまうと、根管治療が必要となります。歯の中を蝕んでいる細菌や膿を除去するために削り、歯の中や根管の部分を何度も掃除しなければなりません。その後薬剤を詰め、被せ物をする対処が必要となります。
このような理由からも、歯や周囲の歯にぴたりと合う被せ物を被せてもらいましょう。被せ物をはじめから低くすると、歯や顎の骨に多くの負担がかかり過ぎる可能性があるため、歯科医師は少し高めの被せ物にすることが多いです。また、歯間に食べかすが詰まる可能性があるため、周囲の歯との隙間が少ないように作製する傾向にあります。
歯の高さが合っているか一番わかりやすい方法は、患者さまに被せ物を入れた状態で歯ぎしりをしてもらいます。左右に噛むことにより、歯の高さがいかがか、それとも低くするべきかと確認します。
まとめ

被せ物の治療を行ったことで、痛み程ではないけど違和感がある方は、クリニックへお越しください。保険治療の銀や樹脂による補綴物を、自費治療のセラミックへと選択すれば、被せ物が合わないトラブルから解消される場合があります。保険治療でも、被せ物の高さを少し調整することで違和感が無くなることがありますので、是非とも歯医者さんでご相談ください。