矯正歯科

マウスピースで矯正すると顔が変わる?

マウスピースで矯正治療を行えば顔が変わるかもしれない?という情報を見たことはありますか。顔がどのように変わるか不安で治療を躊躇される方がおられるかもしれません。マウスピース矯正の特徴や、なぜそのようなことが言われるのか特徴について詳しくご紹介いたします。

マウスピース矯正とは

マウスピース矯正とは透明なマウスピース(アライナー)を使用して、お悩みがある歯並びに被せ、一定の期間になったら段階的に作製したマウスピースと交換して矯正力をかける治療法です。透明なマウスピースであることから、ワイヤーやブラケットを使うワイヤー矯正より目立ちにくく、食事や歯みがきの際に患者さんご自身で取り外しができ、食事の制限がないのが特徴です。通院頻度が少なくて済み、見た目や生活への負担が少ないため、大人や学生にも人気があります。

矯正装置の種類を教えて

さて、マウスピース矯正と言っても様々な装置があります。一部ではありますがご紹介しましょう。

インビザライン(Invisalign)

世界的に最も普及しているマウスピース矯正ブランドで聞いたことがある方もおられるでしょう。アメリカのアライン・テクノロジー社が1997年に開発し、世界で1400万人が治療を受けました。精密な3Dシミュレーションとアライナー設計で、全体矯正から部分矯正、子ども用(インビザライン・ファースト)まで幅広く対応しています。費用は安くありませんが、症例や実績が多数あるのも強みです。

スマーティー(Smartee)

中国発の最新のマウスピース矯正で、2004年に開発され世界52カ国で展開し、80万人以上が治療を受けています。3DスキャンとAIシミュレーションによる高精度設計で、治療の可視化と予測性が高いです。顎のズレや成長期の子どもから成人矯正まで幅広い症例に対応可能で、従来難しいとされたケースに非外科的に対応できると言われます。

  • 骨格性問題に非外科的に対応できる下顎の位置誘導(Mandibular Repositioning)
  • 時間帯でマウスピースを使い分け装着感と矯正効果を両立させる昼用と夜用のデュアルシステム
  • ディズニーやマーベルデザインとのコラボにより、モチベーション維持をサポートするキャラクターコラボ

クリアコレクト(ClearCorrect)※当院では行っておりません

歯科用インプラントのメーカーであるストローマン社が提供するマウスピース矯正です。インビザラインと類似の仕組みを持ち、比較的低価格帯で導入可能な医院もあります。歯茎に2mm重なる様なデザインで違和感を感じやすく、不正咬合の対象症例が限られるのがデメリットです。

アソアライナー(AsoAligner)※当院では行っておりません

日本製のマウスピース矯正装置で、マウスピースの作製も早いです。歯茎まで覆うようなマウスピースでインビザラインより厚みがあります。比較的軽度の症例向けで、型採りも1ステップ進む度に行う必要があります。

マウスピースを入れたら顔が変わる?

マウスピース矯正を行うことで顔つきに変化が生じることはあります。ただし、整形のように劇的に変わるのではなく、歯並びや噛み合わせの改善が口元やフェイスラインの印象に影響すると考えましょう。上下顎の前後差など骨格的な問題が大きい場合は、マウスピース矯正ではなく、顎の手術などの外科的矯正が必要になることもあります。歯列矯正は、歯の位置や噛み合わせを改善するための治療で、顔立ちが整ったように見える変化が起きることもあるという認識に留めましょう。

実際に起こりやすい顔の変化

片側でのみ噛んでいるとどうしても筋肉に左右差が生じます。歯列矯正により噛み癖や左右差がなくなれば、顎や口周りの筋肉バランスも改善し、張りの改善につながることもあります。歯並びが整い、笑顔に自信が持てるようになると、口元の見え方や表情の印象が大きく変化します。では、実際に起こりやすい顔の変化を挙げましょう。

  • Eラインが整い横顔がスッキリする
  • 顎の突出感が減りバランスが良くなれば顔が小さく見える
  • 前歯の傾きが整い口元のハリが改善してほうれい線が目立ちにくくなる
  • 口元が自然に締まる
  • 笑顔に自信が持てるようになり表情が明るく見える

マウスピース矯正で変わる部分と変わらない部分

マウスピース矯正で変わる部分、変わらない部分について詳しく説明します。ただし、何度も申しますが全員に起きるわけではありません。

変化が起きやすい部分

変化が起きやすい部分は下記の通りです。

リップライン

出っ歯や口ゴボが改善されると口が閉じやすくなり、スッキリ見えます。

フェイスライン

全体矯正により噛み合わせを改善すると顎周りが引き締まって見えます。

頬や口角の周囲の表情筋

大頬骨筋や小頬骨筋など笑顔に必要な筋肉や、口輪筋や口角挙筋などの口周りの筋肉が噛み癖の改善により、左右差なくバランスよく整います。

横顔

前歯の傾きが改善し、審美的基準のEライン上に唇の位置が下がると、美しい横顔になります。

変化しにくい部分

一方、変化が起きにくい部分はお口に関係していない部分です。

目元・鼻・顔の輪郭

矯正は歯の位置を動かして噛み合わせを良くする治療です。
目元や鼻、顔全体の骨格までは変わりません。

頬骨や顎の形そのもの

頬骨や顎の形を変えるということは、矯正治療では起こり得ません。

顔の左右の骨の高さ

顔の骨格で左右差がある場合は、矯正治療のみでの改善は難しいです。

顔つきが変わるかもしれない歯並びってどんなもの?

これらの不正咬合は、歯だけでなく顎の位置や顔のバランスに関わるため、矯正治療によって顔の印象が変わる可能性が高いです。歯が原因である歯因性であれば改善できる可能性が高いですが、骨格的な問題が強い場合は矯正治療ではなく、外科手術を併用した矯正が必要になることもあります。

出っ歯(上顎前突)

前歯の傾きがあり口元が閉じにくく前に出ていれば、横顔がもっこりした印象です。矯正治療により、横顔がスッキリした印象を持たれます。

受け口(下顎前突)

下の前歯が上の前歯より前に出ていると、下の顎が突き出て見え、いわゆるしゃくれ顔に見えます。矯正治療により、顎の張りが抑えられ、横顔がより整った印象にになります。

前歯が閉じない(開咬)

奥歯を噛み合わせると、口が閉じにくい状態であるため、口元がだらんとゆるんで見えがちです。矯正治療により口が閉じやすくなり、口元が引き締まります。

過蓋咬合(かがいこうごう)

上の前歯が下の前歯に覆い被さっていてほとんど見えない状態であるため、顎が短く見えやすいです。矯正治療により深い噛みこみを治療すると、下顎がはっきりと見え、自然な印象を持たれます。

左右非対称のかみ合わせ

片側噛みの癖があるとどうしても左右非対称の差が大きく、顔がゆがんで見えたり、輪郭に左右差が出ます。矯正治療を行うと、顎の位置が安定し、正面からの見た目が良くなり、口元や顎のずれが目立ちにくくなります。

まとめ


マウスピース矯正で口腔機能以外に、顔は自然に美しく変わる可能性があり、横顔や口元の印象がスッキリする人は多いです。顔立ちが整ったように見える変化が起きることもありますが、主な目的は歯並びと噛み合わせの改善です矯正前後の3Dシミュレーションや横顔写真などで変化予測を確認できることがありますので、カウンセリング時に相談してみるとよいでしょう。

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