審美歯科

ホワイトニングしない方がいい?

ホワイトニングしない方がいい?

ホワイトニングをしない方がいいというネガティブな情報を見たことはありませんか。白くて美しい歯は憧れますが、ホワイトニングとはそもそもどのような施術なのか、後悔しないためにどうすればよいのかなど詳しくご紹介いたします。

ホワイトニングはどんな施術

コーヒー、ワイン、カレー、喫煙、緑茶など、日常生活で歯はじわじわと着色しています。それをリセットするのがホワイトニングという歯の漂白をする医療処置です。

ホワイトニングの種類

ホワイトニングの種類についてご紹介します。

自宅で行うホームホワイトニング

  1. 歯科医院で歯型を取りマウスピース(トレー)を作製し、ホワイトニングの指導を受ける
  2. 処方された指定の薬剤(過酸化尿素)をトレーに入れ、1日数時間×2週間程度かけゆっくりと歯を漂白する
  3. 速効性はなく効果はゆるやかだが持続性が高い

歯科医院で行うオフィスホワイトニング(当院では行っておりません)

  1. 国家資格を持つ歯科衛生士による施術
  2. 過酸化水素などの漂白成分を歯の表面に塗布し、ライトを当てて色素を分解する
  3. 1回で効果が出ることは多いが長続きはしない

セルフホワイトニングを掲げるサロンを街で見かけることはありますが、これらは医薬品を使った漂白処置ではありません。万が一歯や歯肉にトラブルが起きた際に有資格者がいないため、安全性への疑問が残ります。トラブルに対処できる人間がいないというのが大きなデメリットです。

どんな歯に向いている?

ホワイトニングに適しているのは、次のような方です。

  • 生まれつき歯がやや黄色いが健康な天然歯の方
  • 以前より着色が目立つようになった方
  • 歯並びは整っているが白さにこだわりたい方

効果には限界がある

紙のような白さになるわけではなく、ホワイトニングで得られるのは自然な明るさです。元の歯の色や厚み、施術を受ける年齢によって効果には差があります。一度白くなっても時間の経過とともに色戻りが起きます。自分の肌や雰囲気に合うナチュラルな明るさを目指すのが満足度を得られやすいです。

ホワイトニングの事前チェックの大切さ

ホワイトニングは手軽そうに見えますが、ホワイトニングを行う際には事前チェックが非常に大切です。

  • 虫歯や歯周病の有無
  • 知覚過敏の傾向
  • 詰め物やかぶせ物の色、範囲
  • 着色がどんな原因で起きているか

これらを確認せず始めると、期待した効果が出なかったり、反対に痛みが出るリスクも起きます。ホワイトニングは見た目の変化のみではなく、口の健康状態にも直結する医療行為です。だからこそ、安易に飛びつく前に正しい理解をしましょう。

全員には向かないホワイトニング

白い歯は美しいという概念が現代の常識になりつつありますが、ホワイトニングはどんな人にも合うわけではありません。患者さんの体質、歯の状態、治療歴はさまざまなように、ホワイトニングを避けた方が良い場合もあります。ここでは、歯科医師がホワイトニングをおすすめしないと判断する主な理由を紹介します。

知覚過敏になりやすい人

ホワイトニング剤は、歯の表面のエナメル質を通り抜けて、内部の象牙質に働きかける性質があります。脱灰を起こしやすい状況になり、一時的にしみる症状を引き起こすケースがあります。

  • 歯茎が下がっていて歯根が露出している
  • 歯ぎしりや食いしばりの癖が日常的にある
  • 過去に知覚過敏用の歯磨き粉を使用していた

知覚過敏の既往があっても、症状の程度によっては、低濃度の薬剤や施術間隔の調整で対応できることも考えられます。

人工歯・詰め物がある場合

ホワイトニング剤が反応するのは、天然歯のみです。セラミッククラウン、レジンの詰め物、差し歯やブリッジなどはまったく白くなりません。天然歯と詰め物や被せ物の色の差が目立つことから、人工歯のみくすんで見えてしまいます。ホワイトニング後に詰め物を作り直すという選択肢もありますが、費用と手間がかかります。

色の変化に過剰な期待をしている人

ホワイトニングはあくまで自然な白さへのシフトであって、芸能人のような真っ白な歯が保証されるわけではありません。抗生物質の服用によるテトラサイクリン歯のある方や、加齢による象牙質の色濃化、何度もホワイトニングを繰り返している人は注意が必要です。平均的には2〜3段階の歯の明るさアップが現実的で、元の歯色や体質によって個人差があります。

ホワイトニングを一時的に避けるべき方

ホワイトニングを一時的に避けるべき方は、体の状態が影響します。

  • 薬剤と妊娠の安全性が確認されておらず妊娠中や授乳中の方
  • 虫歯や歯周病の治療が完了していない方
  • 口腔内に炎症や傷がある方
  • アレルギーがある可能性がある方

過去にしみた経験があったり、自然な色に満足している方もやめておいた方が良いでしょう。歯の白さは正解ではなく、自分が心地よく笑える状態が正解です。

後悔しやすいケース

ホワイトニングをやったものの思い描いていたものと違うという感想を持つ方も、実は少なくありません。後悔しやすいパターンと、その背景にある見落としがちな落とし穴を紹介します。

白さが美しさだと信じすぎて失敗

歯が白ければ清潔感を感じますが、白ければ白いほど綺麗であると信じてしまうと、違和感につながることもあります。肌や唇の色と合わず歯の色が浮いて見えたり、鏡を見るたび不自然と感じたり、周囲からどうしたのと言われて恥ずかしいなどです。顔全体の調和とセットで考え、パーソナルカラーや肌のトーンに合った白さを選ぶことが重要です。

医師と相談せずネット情報のみで決めた

SNSやクチコミ、YouTube動画の情報を信じてしまうのは禁物です。セルフホワイトニングで効果が出ずガッカリしたり、施術NGの状態だが誰にも指摘されず悪化したということが考えられます。ホワイトニングは歯科医師の診断を伴う医療行為です。安全性が疑われますし、ホワイトニングが適切かどうかは、歯科医師に相談しなければわかりません。

期待とのギャップで満足感が低下

ホワイトニングの効果には個人差があります。頭ではわかっていても、施術後に白さが足りない、ムラがあるに対して失望してしまう方もいます。1回で芸能人のような白さになるだったり、被せ物の漂白は出来ないこと、色戻りがないと思い込んでいた方もおられます。目標設定を明確にするため歯の色見本であるシェードを確認し、何段階アップできそうか、メンテナンスは必要かなどを確認しましょう。

もっと相談すればよかったとならないために

ホワイトニングで後悔する人の多くは、確認不足が原因です。知らなかったや聞いてないなどが多いとモヤモヤが大きくなります。希望の白さと現実のギャップを事前に理解し、不安や疑問をぶつけて解消しておくのが大切です。費用、回数、注意点をすべて明確にしておいたうえで施術を受けましょう。

後悔しないためのチェックポイント

後悔しないために事前に押さえておきたいポイントを3つに絞ってご紹介します。

歯科医院でカウンセリングを受ける

これが全ての基本であり、後悔しないためには必要です。

  • 自分の歯はホワイトニングに適しているか
  • どれくらいの白さになる見込みがあるか
  • 既存の詰め物やかぶせ物との色差は出ないか

メリット・デメリットを事前に理解する

ホワイトニングのパンフレットやSNSの体験談にはメリットのみ書かれている場合がありますが、副作用や限界についても知っておくことが大切です。

メリット

  • 清潔感があり、笑顔が明るく感じられ第一印象に好感がある
  • 若々しい印象になる
  • 自分へのモチベーションがアップする

デメリット

  • しみや痛みなど知覚過敏になる可能性がある
  • 効果に個人差がある
  • 時間が経つと色戻りすることから持続にはケアが必要
  • 詰め物や人工歯は白くならない

知覚過敏のリスクを把握し、対策をとる

ホワイトニングで最も多いトラブルがしみるという症状です。事前の診断や薬剤の選定で予防可能です。施術前に知覚過敏用の薬剤で予防し、施術後は知覚過敏用歯磨き粉を使用してください。しみやすい人はホームホワイトニングで様子を見ながら進めるのも良いですが、ホワイトニング後のしみは一時的なものが多く正しいケアでほとんどの場合は収まります。

  • 詰め物との色差が気になる場合はセラミックに替える時に一緒にホワイトニング
  • しみが怖い場合はまずはクリーニングで着色除去して様子を見る
  • 結婚式や就活の直前の場合は、無理に急がずタイミングを調整

ホワイトニング以外の白い歯にする治療法

白い歯はホワイトニングのみで叶うわけではありません。ホワイトニング以外に歯を明るく見せる治療法はあるため、迷っている方でも検討しやすい代替方法を整理してみましょう。

歯のクリーニングやステイン除去

意外と多いのが着色汚れが歯の色をくすませているケースです。ホワイトニングは使わず、歯科医院でのクリーニングだけで印象が一変することもあります。タバコ、コーヒー、ワインなどで着色したり、表面がザラついている歯は、歯石やプラークも付き黄ばんで見えています。ご自身が持つ本来の自然な白さにリセットでき、口臭・歯周病の予防にもなり、保険適用で治療出来るため経済的ですが、効果は限定的です。

PMTCエアフロ―

歯のエステとも呼ばれるPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)は、歯科衛生士による徹底したお掃除です。当院ではエアフロ―を導入しており、専用の機器と細かな微粒パウダーをジェット水流で歯面に吹き付け、歯面をツルツルにします。ブラシが届かない部分のステインやバイオフィルム、歯石などを掃除できるため、通常の歯石除去よりも見た目に変化が出やすく、着色が軽度な場合はホワイトニング不要になることもあります。ホームケアを見直すだけで、歯の色が安定しやすくなるという方もおられます。

ラミネートベニアやセラミック治療

より劇的な美白効果とを求め、歯の形や大きさなどの改善を同時にしたい方には、審美治療という選択肢があります。審美歯科を行っている歯科医院であれば取り扱う医院は多いです。

ラミネートべニア

歯の表面をわずかに削って平らにし、べニア板のような薄いセラミックを貼る処置です。色や形のカスタマイズが可能であり、短期間で理想の見た目を実現できます。歯を削る必要があることと、保険適用外であるため高額です。

セラミッククラウン

天然歯を削って全体的にセラミックの人工歯を被せるクラウン治療です。色味の調整がしやすく周囲の歯と自然になじみ、耐久性が高く、10年以上使えるケースもあります。歯を大きく削ることと、治療に時間と自費診療で高額であるのがデメリットですが、下記のような方に効果的です。

  • テトラサイクリン歯があり、ホワイトニング治療が効かない方
  • 色ムラや歯並びも同時に改善したい方
  • 芸能人のような美しい前歯を目指したい方

清潔感を出したい人、第一印象や写真写りを良くしたい人、コンプレックスを解消したい人、理想の歯の白さは様々です。そのゴールに合わせて、本当に必要なのはホワイトニングかを見極める視点が重要です。

まとめ

白い歯を目指すなら、ホワイトニング、クリーニング、PMTC、ラミネートべニア、セラミッククラウンなど様々です。ホワイトニングはあくまでひとつの選択肢に過ぎず、あなたにとって無理なく、納得できる方法が最適な治療法と言えます。

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