矯正歯科

歯並びの中心がずれている原因は?

歯並びの中心がずれている原因は?

歯並びの中心がずれていると気づいたら、周りからの見た目を気にされるでしょう。歯並びの中心がずれている原因は、歯の大きさや生え方、あごの骨など様々な原因があります。詳しくご紹介致します。

歯並びの中心って大事?

女性

歯並びの中心とは上の前歯と下の前歯の真ん中です。専門的には正中(せいちゅう)線と呼びます。人間は左右対称ではないため、「い」のお口の形をした時に、上と下の前歯が1~2mm程度のずれであれば問題ありません。ただ、正中線がそれ以上大きくずれていれば、お顔の審美性や機能性にも関係します。

中心がずれているの治すべき?

お顔の中心の鼻筋から下へ目を向けた際、鼻の延長上に歯の正中線があり、上顎と下顎が揃っていると、綺麗に整った印象を相手に与えます。また、正中線が整っている状態、噛み合わせの状態も正常であるため、特定の歯に負担がかかったり、顎関節に負担をかけるといったリスクが減ります。下記のような状態の方は、お口の健康にトラブルが起こりやすいため、治療が必要と言われるケースです。

  • 前歯の中心が大きくずれて、上下の噛み合わせが合っていない
  • 上の前歯の角度が突出気味でお口が閉じられない
  • 上の前歯が下の前歯を隠し、下の前歯が見えない状態である

前歯の角度が3mm以上傾いている場合は、出っ歯(上顎前突)です。また、噛み合わせた時に上の歯が下の歯を隠してしまうのは噛み合わせが深い(過蓋咬合)状態は、顎関節に負担をかけ、歯の健康を保てません。いずれも不正咬合という歯列のトラブルであり、かみ合わせが良くないと顎関節症のリスクが高くなるため、矯正治療をおすすめします。また、綺麗に整った歯並びは、見た目という審美性以外に歯磨きが行いやすく歯や歯肉を清潔にでき、虫歯や歯周病などの細菌感染を予防できます。

歯並びがずれている原因

癖、遺伝

歯並びがずれてしまう原因は、歯の生え方や大きさ、欠如歯が主です。

  • 歯の大きさが左右によって異なる
  • 右側で生えてきた歯が左側で生えてこない
  • あごの骨のバランスが良くない
  • お顔のゆがみがある

子供の頃に生える歯(乳歯)は20本、大人になって生え変わる歯(永久歯)の本数は、親知らずを含めて32本です。ただし、遺伝により親知らずが生えなかったり、歯が足りない(先天性欠如歯)という方も多いです。奥歯がずれて生えて嚙み合わない交叉咬合(こうさこうごう)という状態でも同じように前歯の正中線が合いません。

歯の本数や遺伝以外では何が原因?

歯の本数は正常で奥歯がずれて生えたわけでもなく、遺伝は特に関係ないという場合は、食生活の変化により顎の骨が発達しなかったり、癖によって一方向に力がかかり過ぎて歯並びがずれることが考えられます。

  • 噛みやすい食べ物が多く、咀嚼回数が減少した
  • 指しゃぶりをする
  • 頬杖をつく
  • 毎日同じ方向に横たえて寝る

このような癖が日常的にあるとどうしても片側に力がかかってしまい、筋力や骨に左右差が生まれ、お顔の印象にも影響を及ぼします。歯が原因ではなく顎の骨の問題で歯並びが中心から大きくずれている場合は、外科矯正を選択することもあります。

歯並びの中心がずれている原因に関するQ&A

歯並びの中心がずれる主な原因は何ですか?

歯並びの中心がずれる主な原因には、歯の大きさの左右差、一方の歯が生えてこない、あごの骨のバランスの不良、お顔のゆがみ、遺伝、欠如歯などがあります。これらの要因により、歯の位置が左右非対称になることがあります。

正中線のずれが大きい場合、どのような影響があるのですか?

正中線のずれが大きい場合、噛み合わせが合わなかったり、前歯の角度が突出してお口が閉じにくくなったり、上の前歯が下の前歯を隠す状態になることがあります。これらは噛み合わせや顎関節に負担をかける原因となり、不正咬合や顎関節症のリスクが高まります。

歯並びの中心のずれを治す方法はありますか?

歯並びの中心のずれを治す方法としては、矯正治療が効果的です。矯正治療は、歯を徐々に移動させて正しい位置に調整し、審美性と機能性を改善します。特に、前歯の角度の傾きが大きい場合や噛み合わせの深い状態では、矯正治療が必要とされます。

まとめ


歯並びの中心がずれているのが、歯が原因なのか、骨格が原因なのか診断する必要があります。歯並びの中心がずれているお悩みをどこで相談すべきかわからない場合は、まずは歯科医院で治療法を相談されるのが良いでしょう。

歯並びの中心がずれている原因に関する研究から以下のような情報が得られます。

1. 機能的後方交叉咬合
上顎の歯列弓の幅の減少が機能的後方交叉咬合の最も一般的な原因です。この状態は、前歯の混雑に関連しており、一方の側の上顎側切歯または小臼歯が硬口蓋側に位置することがあります。これにより、上顎の中心が混雑した側にシフトすることがあります。この症例報告では、機能的シフトを伴う後方交叉咬合および上顎の中心のシフトを、副作用なく同時に管理する方法が示されています。【R. Arvinth et al., 2016

2. 顔面の非対称性
顔面の非対称性が歯並びの中心のずれの原因となることがあります。この非対称性は先天的障害、獲得病、外傷、発達異常などによるものです。顔面非対称性の評価には、患者の歴史、身体検査、および医療画像が含まれます。歯の不正咬合、咬合面のレベルの傾き、中心のシフトが一般的に見られます。顔面非対称性の管理は、まず基礎となる障害を修正することを目的としています。【Y. Cheong & L. Lo, 2011

これらの研究結果から、歯並びの中心がずれる原因として、機能的後方交叉咬合や顔面の非対称性が挙げられます。これらの問題の適切な診断と治療は、歯並びの中心の正常化に重要です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 カトレア歯科・美容クリニック
院長 辻 和志

2008年 国立九州大学歯学部卒。医学博士。日本口腔外科学会認定医。ICLS講習修了。

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