矯正歯科

出っ歯を治すにはどんな方法がある?

出っ歯を治すにはどんな方法がある?

カトレア歯科・美容クリニック 歯科医師 辻 和志

出っ歯を治す方法はどんな種類があるのかご紹介します。

出っ歯を治す方法

歯列矯正の際には、歯を動かすためにスペースを作らなければいけませんが、大人か子供かによってその方法は異なります。永久歯が生え揃った大人のケースでは、IPR(スライス、ディスキングとも呼びます)か、小臼歯の抜歯になります。

永久歯と乳歯が混じった混合歯列期の子供のケースでは、顎を適切な大きさに成長させるための装置を用いて顎(あご)の成長をコントロールし、スペースを作ります。

  • 中度以上で噛み合わせが悪い場合は全体矯正
  • 軽度な出っ歯の場合は部分矯正

ワイヤー矯正

  • 歯の表面にブラケットという小さなボタンのような装置を貼り付け、その中にワイヤーを通して力をかけ、ワイヤーの力で歯の動きを促進する治療法。
  • 一ヶ月毎に来院してワイヤーの交換と調整を行う。
  • 装置を歯の表面に装着するため目立ちやすいが矯正治療の中では費用は安い部類に入る。

裏側矯正

  • ワイヤー矯正は歯の表側にワイヤーとブラケットを付けるのに対して、裏側矯正は歯の裏側に装置をつける。
  • 治療費はワイヤー矯正よりもやや高額になる。

マウスピース矯正

  • 歯の表面にアタッチメントと呼ばれる白い突起をつけ、透明のマウスピースを一定期間ごとに交換していくことで、歯を動かす治療法。
  • ご自身で取り外しができるため食事と歯磨きの際には取り外して行う。
  • 1日に22時間以上の装着が推奨され、装着時間を守らなければ治療期間が延長してしまう。

セラミック矯正

  • 歯を削って、審美性の高いオールセラミックやジルコニアセラミックをかぶせる治療法。
  • 天然歯と見分けがつかないくらい自然な仕上がりが可能。
  • 健康な歯を削る必要がある。
  • 削って痛みが出た場合には神経を抜かなければならない。

外科矯正(セットバック手術)

当院では口腔外科出身の歯科医師が執刀するセットバック手術(外科矯正)を行っています。歯科矯正でEラインやお口元の出っ歯のお悩みがあまり改善できなかったという骨格が原因の方におすすめの治療法です。

セットバック手術では小臼歯を抜歯して、抜歯して出来たスペース分のあごの骨を切り、前歯を骨ごと後方に下げます。その後骨をチタンプレートやワイヤーで動かないように固定します。全身麻酔が必要ですが、日帰り手術で受けることが出来ます。

出っ歯の治療後の注意点

矯正治療で正しい位置に歯を動かしたても、以下のような点に気を付けなければ、また歯が少しずつ動いてしまうことがあります。

1. 保定装置をきちんと装着する

動的治療(歯を動かす)が終われば、次は静的治療(歯を固定する)が大切です。リテーナーと呼ばれる装置をお口の中に一定の期間入れ、後戻りを防止します。

2. お口のクセを治す

お子さんの場合は指しゃぶりを行わないように注意しましょう。大人の方でも舌で前歯の裏を押す癖や、無意識に爪を噛むなどの癖があると、歯を前に押してしまうため、また少しずつ歯が前に出てきます。また、片側噛みしているなど、食べ方についても特定の歯に負担がかからないようにしましょう。

3. 定期的に歯科健診を受ける

せっかく綺麗な歯並びになっても虫歯や歯周病になると、変色や痛みなどの症状が出ます。虫歯や歯周病の原因となる細菌は歯垢や歯石の中で繁殖します。歯垢(プラーク)は歯ブラシで除去することができますが、歯石は歯科衛生士などのプロのクリーニングでないと落とすことはできません。歯の健康の為には定期通院でお口の病気を予防するということが大事です。

出っ歯を放置するとどんな問題が起こるの?

出っ歯は上顎(じょうがく)前突と呼ばれる不正咬合です。上の前歯は下の前歯よりも2~3mm前に出ている状態が通常です。それ以上に前歯が出ている状態を出っ歯と診断します。出っ歯を放っておくとどのようなデメリットがあるか、ご説明します。

見た目の問題

出っ歯の程度にもよりますが、周りからの見た目を気にして口元を隠しながら話をしたり、就活や婚活などでも出っ歯をコンプレックスに思うこともあるでしょう。思い切り口を開けて笑えなかったり、口元を隠す仕草をしたり、見た目にコンプレックスを抱えると精神的な健康のためにも、良いことはありません。

歯の機能の低下

出っ歯が重度にもなると、上下の前歯で食べ物をちぎるという機能が上手くできず、奥歯に大きな負担がかかりますし、きちんと噛めなければ、栄養素を吸収できません。噛みやすくなる噛み方をしていると、顎関節に影響を及ぼし、顎関節症を引き起こすリスクが高くなります。全体の歯でしっかりと噛めなければ、お口周りの筋肉にゆがみが生じます。そのため、お顔立ちのバランスを崩す可能性があります。

出っ歯を治す方法に関するQ&A

出っ歯を放置すると、どのようなデメリットがありますか?

出っ歯を放置すると、見た目にコンプレックスを抱えることや精神的な健康に悪影響を及ぼす可能性があります。また、食べ物を十分に噛めず、栄養素の吸収が十分に行われない場合や顎関節症のリスクが高まる可能性もあります。

出っ歯の治療方法にはどのような選択肢がありますか?

出っ歯の治療方法として、ワイヤー・ブラケット矯正、マウスピース矯正、セラミック矯正などがあります。治療の選択は個人の症状や好みによって異なります。

出っ歯を治す際に注意すべきことはありますか?

歯を正しい位置に動かした後も、保定装置をきちんと装着することが重要です。また、口のクセを治したり、定期的なメンテナンスに通院することも大切です。出っ歯の治療は、矯正治療だけでなく、生活習慣や口内のケアにも気を配る必要があります。

まとめ


出っ歯を治すと歯の咀嚼機能が改善し、白く美しい歯並びになれば、見た目のお悩みが無くなり、精神的に安定します。歯並びでお悩みがある場合は、矯正歯科のカウンセリング(当院は無料で予約制)を受診しましょう。歯科医師が患者様の歯並びや口腔内の状態を確認し、おすすめの治療計画(治療法・期間・料金)を提案します。一度、お気軽にご相談ください。

出っ歯(前突歯)を治すための方法には、いくつかの異なるアプローチがあります。最近の研究に基づくと、以下のような治療法が挙げられます。

1. Alshammari et al. (2022)の研究では、出っ歯を修正することが、多くの参加者が望む整形治療の主要な理由であることが示されています。この研究では、歯列矯正治療に対する態度や、治療への障壁(コストや治療期間など)について調査しています。【Alshammari, Siddiqui, Al Shammary, Malik, & Alam, 2022

2. Yoshida et al. (2022)は、出っ歯の非抜歯整形治療においてミニスクリューを使用した成功例を報告しています。この研究は、歯列不整合や顎の不安定な動きを持つ患者の治療について詳述しており、出っ歯に対する異なる治療アプローチの有効性を示しています。【Yoshida, Seiryu, Mayama, Takano-Yamamoto, & Mizoguchi, 2022

これらの研究に基づくと、出っ歯を治療する方法としては、以下のものが考えられます。
– 歯列矯正治療:出っ歯の位置を修正し、歯並びを改善するために矯正装置を使用します。
– ミニスクリューを使用した治療:非抜歯の場合に、ミニスクリューを使用して歯を所定の位置に移動させることがあります。

これらの方法は、患者の状態や治療目的に応じて選択されます。矯正治療は、歯列不整合の原因や程度、患者の年齢や一般的な口腔の健康状態など、多くの要因を考慮して計画されることが一般的です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 カトレア歯科・美容クリニック
院長 辻 和志

2008年 国立九州大学歯学部卒。医学博士。日本口腔外科学会認定医。ICLS講習修了。

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