インプラント

インプラント手術後の注意点と過ごし方は?

インプラント手術後はどんなことに注意したらいいですか?

カトレア歯科・美容クリニック 歯科医師 辻 和志

インプラントの手術後の注意点や過ごし方については、麻酔が切れたあとの痛みや腫れ、出血の有無、食事、入浴などいくつか気をつけていただきたい注意事項がありますのでご説明します。

インプラント手術後の痛みや腫れ

歯が痛い腫れる

インプラント手術後に頬や顎下に痛みや腫れが出ることがあります。手術後は鎮痛剤を処方しますので、痛みが出たら我慢せずに鎮痛剤を服用しましょう。次の鎮痛剤の服用までは4時間以上あける必要があります。痛み止めが効かない時は、歯科医院までご連絡ください。

抗生物質は一週間分お出しします。抗生物質を飲み忘れると細菌感染の原因になりますので、術後の痛みや腫れが少ない場合でも、必ず全部飲み切るようにしましょう。

インプラント手術後の腫れのピークは2~3日です。一週間で腫れは殆どひきます。増骨(骨造成)の処置をした方は大きく腫れる傾向がありますので、不安な方は歯科医院までご連絡ください。

また、腫れに伴って発熱する場合もありますので、その場合は安静にしていてください。

手術後の出血についての注意点

手術を受けた当日は、口の中に少し出血がみられる場合もあります。気持ち悪いからと、頻繁にうがいをすることは避けて下さい。傷口は血液が固まることで感染を防いで治癒を促すのですが、うがいをすると傷口の固まってきた血餅と呼ばれるかたぶたのようなものが血液が流れてしまい、治癒を遅らせる原因になります。

手術した傷跡から出血が続くと不安になられるかもしれませんが、唾液に血が混じる時には、ガーゼや脱脂綿などを傷口に当てて20分ほど軽く噛んでください。これは圧迫止血と呼ばれるもので、軽い出血ならば大抵止まります。それでも出血が多く、止まらない時には歯科医院までご連絡ください。

手術後の食事についての注意点

やわらかい食べ物

術後の麻酔がきいている間の食事は厳禁です。お口の感覚が麻痺していますので、誤って頬の内側を強く噛んでしまい、口内炎になることがあります。麻酔がきれたらお食事は可能ですが、出来るだけやわらかいものを食べるようにして下さい。インプラントを埋入した部分では噛まないように気をつけましょう。

インプラント埋入後の傷が落ち着くまでは、熱いものや刺激の強いものは避けましょう。飲酒も血行が良くなって出血の原因になりますので、しばらく控えていただいた方が良いです。

手術後の入れ歯の装着についての注意点

入れ歯

手術後1~2週間の間は、手術部位を傷める可能性があるため、手術部位への入れ歯の装着は控えて下さい。

入れ歯をつけられないことで食事がしにくいとか、審美的に見た目が悪いということが起こります。前歯の場合は見た目が悪くなるため、出来る限り仮の歯をお入れするようにしています。

手術後の喫煙の注意点

たばこ

インプラント手術後はしばらく喫煙は控えましょう。煙草に含まれるニコチンやタール、一酸化炭素などの有害物質が血行を悪くし、免疫力も低下するため治癒を遅らせます。これらの有害物質はインプラント体が骨と結合することも妨げますので、インプラントを長持ちさせるためには禁煙をおすすめします。

手術後の入浴の注意点

シャワー

入浴して身体が温まると全身の血行が良くなり、インプラント埋入部位から出血しやすくなります。そのため手術当日はシャワーで汗や汚れを流す程度にして、軽く済ませましょう。

【動画】前歯へのインプラント埋入

インプラント手術後の注意と過ごし方に関するQ&A

インプラント手術後の痛みや腫れが出た場合、どのような対処法がありますか?

インプラント手術後の痛みや腫れには鎮痛剤を使用し、必要に応じて歯科医院に連絡してください。鎮痛剤の服用間隔は4時間以上あける必要があります。増骨処置をした場合は腫れが大きくなることがあり、発熱する可能性もあるため、注意が必要です。

インプラント手術後の食事について、どのような注意が必要ですか?

手術後は麻酔が効いているため、食事は噛むことが難しいかもしれません。麻酔がきれた後はやわらかい食べ物を選び、埋入部分には注意して噛むことを避けましょう。また、熱い飲み物や刺激の強いもの、アルコールは避けるべきです。

インプラント手術後の入浴には注意が必要ですか?

手術後の入浴で体が温まると血行が良くなり、出血のリスクが高まる可能性があります。手術当日はシャワーで軽く済ませ、無理な刺激を避けるよう心掛けましょう。

まとめ

女性

上記のようなことを守っていただくと、インプラント埋入部分の治癒やインプラント体と骨との結合が順調に進みます。インプラント手術後は安静に寝ている必要はありませんが、身体が疲れすぎないように気をつけて生活しましょう。少しでも不安なことがあった場合には、早めに歯科医院にご連絡下さい。

この記事の監修者
医療法人真摯会 カトレア歯科・美容歯科
院長 辻 和志

2008年 国立九州大学歯学部卒。医学博士。日本口腔外科学会認定医。ICLS講習修了。

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