歯と口の基礎知識

電動歯ブラシ・音波歯ブラシ・超音波歯ブラシの違い

電動歯ブラシ・音波歯ブラシ・超音波歯ブラシの違い

カトレア歯科・美容クリニック 歯科医師 辻 和志

歯を磨く際に電動歯ブラシを使用する方は多く、電動歯ブラシにも様々な種類があり、電動歯ブラシ、音波歯ブラシ、超音波歯ブラシとおおよそ三種類に分かれます。

電動歯ブラシと音波歯ブラシと超音波歯ブラシの違い

いずれも一定の力で動くため、力のない子供やご老人でも綺麗な歯を保つことが可能です。それぞれ特徴があり、順を追ってご紹介いたします。

電動歯ブラシとは

従来型の電動歯ブラシは、モーターで動く歯ブラシで回転や縦の動きが可能です。1分間で2500~7000回ほど動き、高速で歯垢(プラーク)除去を行えます。毛先が歯の表面に触れて汚れを落とすので、手を動かさなくていいというメリットがあります。通常の歯ブラシで歯面の汚れを落とす場合と比べて、電動歯ブラシは清掃効果が高いです。

音波歯ブラシとは

音波歯ブラシは電動歯ブラシよりも清掃できる歯ブラシです。音波を発生させるので、お口の中で細かい水流を起こしながら歯磨きが可能です。

200~300Hz(ヘルツ)の音波振動により、毛先が接していない箇所のやや深めのプラークにもしっかり対応します。1分間で約3万回の音波振動が発生し、それによりきちんと歯を細部まで磨きます。電動歯ブラシと同様にあまり手を動かす必要はありません。

超音波歯ブラシとは

超音波歯ブラシは、音波歯ブラシより振動が細かいタイプです。160~200万Hzと振動数が幅広く、プラークに潜む細菌や、むし歯のもとになる不溶性グルカン(ミュータンス菌を歯に付着させる温床)をいずれも除去できます。ただし、大変細かい振動数なので、電動歯ブラシや音波歯ブラシと異なり、手できちんと磨く必要があります。

電動歯ブラシや音波歯ブラシと超音波歯ブラシのデメリット

これらのデメリットは、手磨きの歯ブラシより費用が高い点です。そして歯と歯の間の汚れを落としにくいです。手磨きの歯ブラシ操作が苦手な方には、電動や音波、超音波でも効率よく汚れを落とせず、歯への当て方を間違えたり強い力で行うと、歯肉や歯を傷つけることになります。歯間や歯周ポケットはフロスや歯間ブラシで汚れを落としましょう。

音波とは何?

とある物体が振動すると、その振動が空気に伝わり、空気の密度が濃い部分と薄い部分ができます。その状態が音の波、すなわち音波です。

人間が聞き取れる音の範囲(可聴域)には個人差がありますが、一般的に20Hz~20KHzまでの周波数を聞き取れるそうです。加齢により、可聴域が減りますが、20000Hz以上の音を超音波と呼びます。

電動歯ブラシ・音波歯ブラシ・超音波歯ブラシの違いに関するQ&A

電動歯ブラシ、音波歯ブラシ、超音波歯ブラシのそれぞれの違いは何ですか?

電動歯ブラシは回転や縦の動きで歯垢除去を行い、1分間に2500~7000回ほど動きます。音波歯ブラシは振動により細かい水流を起こし、1分間に約3万回の音波振動が発生します。超音波歯ブラシは振動数がさらに細かく、160~200万Hzの振動で歯垢を除去します。

音波歯ブラシが他の歯ブラシより優れている点は何ですか?

音波歯ブラシは振動により細かい水流を起こし、1分間に約3万回の音波振動が発生します。これにより、毛先が接していない箇所のやや深めのプラークにも対応できます。

超音波歯ブラシと他のブラシとの違いは何ですか?

超音波歯ブラシは、音波歯ブラシより振動が細かく、160~200万Hzの振動でプラークに潜む細菌や不溶性グルカンを除去します。ただし、他のブラシと異なり、手できちんと磨く必要があります。

まとめ

歯のイラスト

ブラッシングが出来ているか、口腔内にトラブルがないか気になる方は、歯科医院の定期健診を受診しましょう。専門のスタッフがクリーニングで歯石を除去し、ご相談いただければ歯磨き指導も行います。もちろん、虫歯や歯周病が発見されれば歯科医師が治療を行います。ご自身の歯を長持ちさせればしっかり噛めるため、顎の骨の後退も防げ、細菌感染のリスクが減ります。

この記事の監修者
医療法人真摯会 カトレア歯科・美容クリニック
院長 辻 和志

2008年 国立九州大学歯学部卒。医学博士。日本口腔外科学会認定医。ICLS講習修了。

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