歯と口のトラブル

顎関節症になりやすい人とは?

こんな人は顎関節症にご用心!

カトレア歯科・美容クリニック 歯科医師 辻 和志

顎関節症を誘発しやすい人は、癖があり、かみ合わせが悪く、ストレスを感じやすい人です。

顎関節症になりやすい生活習慣など

食事を口から摂る人がほとんどですし、口の開閉は必ず行うので、「誰でも起こるものなのでは?」と不安に思われるでしょう。原因は1つと絞り込めるわけではなく、様々な原因が合わさって、顎関節症は起こります。では、どのような人に顎関節症は起こりやすいのか、ご説明します。

食いしばり・歯ぎしり・頬杖をつく・横向きで寝る癖がある

生活習慣の癖が顎関節症を起こしやすいということが最近の研究で判明しております。よく挙げられる癖は、食いしばり、歯ぎしり、頬杖をつく癖があると顎関節症になりやすいです。

食いしばり、歯ぎしりはストレスを解消するために、本能的に体が行いやすい行動と言われています。また、頬杖をつく習慣や、横向きで寝る癖があると方の場合、片側の顎関節に負荷がかかり、徐々に正しい位置からずれてしまいます。

寝ている間に歯ぎしりを行っている場合、ナイトガードを歯科医院で作製してもらいましょう。ナイトガードは、寝る前に装着するマウスピースです。それを装着すると、歯ぎしりを防止することができます。

噛み合わせが悪い

噛み合わせとは、あごを左右に動かした時や、上下に噛んだ時の歯の接触のことです。顎関節症を引き起こしやすい噛み合わせは、上下の歯の噛み合わせの不安定さで起こることが多く、精神的な緊張やストレスにより、あご周りの筋肉が緊張し、噛み合わせが悪くなるということもあります。

猫背など姿勢の悪さ

現代社会は、テクノロジーが進化しています。スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコンなどを使用しないという方は少ないと思います。特に、スマートフォンは長時間前かがみ、もしくは猫背になって、頭を前に傾けていることが多いでしょう。

頭を前に傾けると、自然と上下の歯の接触が起こります。ストレスが過度になれば、ぎりぎりと噛みしめてしまい、歯のみならず、咀嚼筋や顎関節に過度な負担がかかります。

骨粗しょう症である

骨粗しょう症は、女性の6人に1人が高齢になるとかかると言われています。その際に服用する薬(ビスフォスフォネート製剤・デノスマブなど)であごの骨が壊死する顎骨壊死と言われる副作用が起こる可能性があります。服薬した物質は全身の骨にいきわたるのに、なぜあごの骨が壊死するのか。疑問に思いますが、口腔内の細菌や、咬合力により他の骨より負担が多くかかっているからと推察されています。

顎に何らかの症状がある人は80%

疫学調査によれば、程度は違えどあごに症状を持つ人はおおよそ80%ということでした。実際に通院しているのが7~8%、男女差でみると女性が多いようです。

女性は男性よりもあご周りの筋力が弱く、また、血液循環が悪いことが多いということも一因です。ただ、女性は痛みに強く、自然回復を見込めるような段階ではないところまで通院を我慢しがちで、日常生活に支障が出てからやむなく歯科へ通院するという方が多い傾向が判明しました。

顎関節症になりやすい人に関するQ&A

顎関節症のなりやすさは男女で差がありますか?

女性の方が顎関節症になりやすい傾向があります。女性は男性よりもあご周りの筋力が弱く、血液循環が悪いことが一因とされています。

顎関節症を起こしやすい生活習慣の癖は何ですか?

顎関節症を起こしやすい生活習慣の癖には、食いしばり、歯ぎしり、頬杖をつく癖が挙げられます。

噛み合わせの悪さが顎関節症を引き起こすことがありますか?

はい、噛み合わせの悪さが顎関節症を引き起こすことがあります。上下の歯の噛み合わせが不安定になると、顎周りの筋肉が緊張し、顎関節の問題が起こることがあります。

まとめ

歯のイラスト

顎関節症はこのような原因を複数抱える人が起こりやすいトラブルです。ストレスフリーになるのは難しくても、ストレスを減らしたり、気づいた時には姿勢を良く、癖を減らすように心がけましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 カトレア歯科・美容クリニック
院長 辻 和志

2008年 国立九州大学歯学部卒。医学博士。日本口腔外科学会認定医。ICLS講習修了。

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